昨日の特別委員会、本日の本会議で与党が「安全保障関連法案」の採決に踏み切った。

100時間を超える質疑時間を理由に「論点は出尽くした」というのが強行採決の理由だが、たしかに論点は次々出したものの、答弁の質はあまりにもひどかった。

そもそも我が国が攻撃されていないのに、我が国が根底から覆される他国(アメリカ)への攻撃とはどういう場合の何を意味するのか、答えていない。

また7月8日の委員会で私が質問した、一度参加したら「自衛権発動の名のもと武力行使をする同盟国と行動を共にした場合、我が国が言う“最小限度”の協力などありえず、一度参加したら抜けられないことになるのではないか。私たちはここまでです、抜けます」などということはできないのではないか?との質問にも答えていない。

「国民の理解は進んでいない」「今国会で拙速に決めるべきでない」と国民の声が圧倒的で、安倍総理自らが「国民に理解はされていない」と認めたのも、差し迫った国際社会の要請があるわけでなく、安倍政権の当事者が“覚悟”と“準備”を論理的に説明できないからだ。
 
自衛隊の位置づけをそのままにして、国際社会では「軍隊」と同等の役割をさせるのは危険である。戦争にもルールがあり、ジュネーブ協定では捕虜の扱いが定められている。重要影響事態での「後方支援」ならジュネーブ協定の対象とならず、存立危機事態(集団的自衛権発動)ではジュネーブ協定の対象となる。自衛隊の活動が併存した際、扱いが違うことになる。この点を突いたが、中谷大臣はまともに答えられなかった。論理だって答弁できず、法案が練れていない。戦後安全保障の大転換でありながら慌てて作った法律と言わざるを得ない。

防衛副大臣を経験した私は安全保障政策には現実的に対応する立場であり、“観念的平和論”だけで日本を守ることができるとは思っていない。日本周辺で我が国にも火の粉が飛んでくる「周辺事態」の際には米軍と共同行動をとって対応すべきだし、その際に米軍が攻撃された場合は「個別的自衛権」と判断して対応すべきと考えている。

またテロを理由にアメリカが軍事行動を起こした場合、自衛隊は一体化して参加することが可能となるが、現在進行中のテロである北朝鮮の拉致被害者救出には自衛隊は出せないといい、北指導部が崩壊して無秩序になった場合でも「相手国の主権」を強調し、考えていない。

これから参院審議に移るが、抽象的・感情的議論でなく、論理的に追い込んでやり直しできるよう、わたしも経験を生かして後押しをしていく。