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先の衆院選を受け、首相を選出するための特別国会が11日、召集された。自民、公明の与党が過半数割れしたことで、衆院での首相指名選挙は30年ぶりの決選投票となり、最終的に石破茂首相が選出される見通しとなっている。首相を選ぶ国会での一票は国会議員のみに許された権利だ。通例は自身の所属する政党や会派のトップに票を投じるが、過去を振り返ると意外な投票行動も目立った。 【ひと目でわかる】衆院で行われた過去の首相指名選挙の決選投票 ■「私が投票したのじゃないからね」 参院で10月1日に行われた首相指名選挙で、9月の自民党総裁選で首相に敗れた高市早苗前経済安全保障担当相と茂木敏充前幹事長が予想外の1票を得た。 参院会派「NHKから国民を守る党」に所属する斉藤健一郎参院議員が高市氏に、浜田聡参院議員が茂木氏にそれぞれ投じたのだ。 高市氏は令和3年10月の首相指名選挙でも、想定外の1票を得た。高市氏は直後に記者団に「私じゃありませんよ。岸田文雄さま(前首相)と書いた」と繰り返した。高市氏は同年9月の総裁選で岸田氏に敗れており、高市氏に投じたのは「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(当時)の丸山穂高参院議員だった。丸山氏は2年9月の首相指名選挙では、自民党の小泉進次郎元環境相に投じている。 国民民主党の伊藤孝恵参院議員も、今年10月の首相指名選挙を含め、直近4回連続で1票を集めた。伊藤氏は2年の党代表選に出馬し、玉木雄一郎代表に敗れたが、全国的な知名度には欠ける。そんな伊藤氏に投票し続けているのが、野党系無所属の寺田静参院議員だ。寺田氏は投票の前には伊藤氏を訪ね、なぜ伊藤氏が首相にふさわしいと思うのか、切々と語るのだという。 ■自身に投票する横粂氏 平成29年11月の特別国会で、衆院の首相指名選挙では希望の党の渡辺周元防衛副大臣が51票を集めた。党代表を務めていた小池百合子都知事が衆院選敗北を受けて辞任し、代表職が空白だったため、同党は当選8回と期数がもっとも多かった渡辺氏への投票を決めていた。 21年9月の首相指名選挙では、自民党の若林正俊元農林水産相が参院で84票、衆院で119票を集めた。下野が決まっていた自民は、麻生太郎最高顧問が総裁を辞任し、後継が決まっていなかったため、両院議員総会長を務めていた若林氏に投じられた。
23年8月の首相指名選挙は、民主党を除籍されて無所属だった横粂勝仁衆院議員が衆院で自身に投じた。横粂氏は恋愛バラエティ番組に出演していた過去があり、ニックネームは「総理」だった。(奥原慎平)